室内環境
Online ISSN : 2186-4322
Print ISSN : 1882-0395
ISSN-L : 1882-0395
解説
室内環境における窒素酸化物の現状と多孔質ガラス分析チップを用いた測定法
丸尾 容子鈴木 義史浅沼 光吾
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 21 巻 2 号 p. 121-128

詳細
抄録

窒素酸化物のうち二酸化窒素は環境基準が設定されている大気汚染物質であり,屋外においては発生源が自動車などの移動発生源や工場などの固定発生源である。屋内においては,特に冬季の開放型石油ストーブから高濃度のNO2が発生されている。屋内の高濃度のNO2は呼吸器疾患との関連が指摘されており,国民病とも言える喘息の発病率を下げるには,屋内でのNO2濃度を減少させることが重要である。屋内のNO2濃度については,様々な地域で主に拡散サンプラーを用いて測定が行われてきた。拡散サンプラーは手軽に特別の技術がなくとも取り組める測定方法であるが捕集時間が24時間ということと,その場で測定値が得られないという不都合な点も存在した。本稿では,その場でのある程度の濃度の確認が可能な多孔質ガラスを用いた分析チップを紹介するとともに,それを用いた測定方法及び結果についても紹介する。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 室内環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top